営業の現場で成果を上げたいと願うならば、
まず最初に問うべきは「自分はお客様からどう見えているか?」という視点です。
多くの営業マンが、「何を話すか」「どんな商品を提案するか」に意識を集中させます。
もちろんそれも大切な要素ではありますが、もっと根本的なところ──
つまり“自分の印象そのもの”を戦略的にデザインしている営業マンは、実はそれほど多くありません。
営業とは「人と人」のやりとりです。
どれだけ商品知識が豊富でも、どれだけ魅力的なサービスであっても、「この人から買いたい」と思われなければ成立しません。
そして、その判断は驚くほど速く、時に第一印象は、初対面で顔を合わせた直後わずか数秒で決まってしまいます。
しかし、この第一印象形成は、営業自信が意図的に狙って商談時間の中で変化させることは可能です。
ただし、「トークをしていれば自然に印象が変わっていく」では再現性がありません。
なぜ?印象が変わっていくのか?
これを意図的に商談の中で“設計”する必要があります。
初対面の第一印象は数秒で決まります。遅くても10分程度でその営業を信用するかしないかを判断されます。
営業は自分が“どんな人に見えているか”を、きちんと理解し、コントロールしなければ、
数字が安定することはありません。それを感覚的に理解している営業がいます。
彼らは圧倒的経験とセンスがずば抜けた人材です。私も含めてそんな人間でないことがほとんどです。
だからこそ、意図を持った“印象設計力”が重要なのです。
印象は「ありのまま」ではなく「見せ方」で決まる

人は相手を評価する時、「その人が本当にどういう人か」ではなく、「その人がどう“見えるか”」を元に判断しています。
たとえば、営業先で緊張していても、堂々とした表情と明るい声で挨拶できれば、「自信のある人」という印象を与えることができます。
逆に、どれだけ自信を持っていても、うつむいて小さな声で話せば「頼りない人」と認識されてしまうでしょう。
つまり、営業の現場において重要なのは「自分がどんな人間か」なんてことよりも、「どんな人に見られているか」なのです。
この“見せ方”を意識しなければ、お客様との信頼構築は常に“偶然頼り”になります。
偶然は続きません。再現性のある成果を生むためには、意図的に自分の印象をデザインする必要があるのです。
お客様の前で「どんな自分を演じきれるか?」
「演じる」と聞くとネガティブに感じる人もいるかもしれません。
しかし、営業とは“信用される演出”を意識することとも言えます。
たとえば、「誠実そう」「頼れそう」「情熱的」「落ち着いている」といった印象を相手に持ってもらうために、どんな立ち振る舞いや話し方をするのか
これは、演技ではなく「プロとして伝えるべきことを正しく伝えなくてはならないための準備」です。
お客様に「安心して任せられる」と感じてもらうためには、自分がどう見られているかを常に意識し、その印象を設計することが必要です。
第一印象を決めるのは「見た目」

人の印象形成において、視覚情報は大きなウエイトを占めています。
多くの科学的な研究の中で、視覚情報が与える影響力が大きいというのは有名な話です。
営業においてもこれは例外ではありません。
では、あなたは自分の見た目を「戦略的に」デザインしているでしょうか?
髪型は清潔感があるか
スーツやシャツにしわはないか
ネクタイの色は何色か
時計や名刺入れなどの小物に気を配っているか
高級なものを使用して、ある程度売れている一流の営業を設計する
安価なものを使用して、必死で共感してもらえる営業を設計する
上記はどちらが正しいかではなく、どんな印象形成を考えているか、これが重要なのです。
これらはすべて、「この人は信頼できそうかどうか」の判断材料になります。
ここに意識が向いていない営業マンは、無意識のうちに信頼を損ねている可能性があります。
「動き方」や「非言語」で信頼を作る
次に重要なのが、表情・姿勢・目線・ジェスチャーなどの「非言語的な振る舞い」です。
お客様の話を聞くとき、目線を合わせてうなずいていますか?
言葉を発するとき、自信を持って身体を開いて話せていますか?
営業は「仲良くなる仕事」ではなく、「信頼を得る仕事」です。
相手に合わせて砕けた態度をとるのが悪いわけではありませんが、信頼を得たいのか、親近感を持たれたいのか、その軸がブレると、全体の印象にも一貫性がなくなります。
自分がどんな営業像で評価されたいのかを定め、それに応じた“振る舞い方”を選ぶ。
これが、成果につながる印象形成の基本です。
言葉・声・感情の使い方を設計する
言葉の選び方や声の出し方も、印象形成に直結します。
- 声に抑揚があるか
- 説明のテンポは心地よいか
- 冗談と真面目な話のバランスは適切か
- 不安や緊張が声に出ていないか
- 沈黙を使いこなすことはできているか
たとえば、ゆっくりと落ち着いたトーンで話すことで「安心感」を与えられますし、ハキハキと話すことで「エネルギッシュ」な印象を演出できます。
また、言葉の選定も大切です。「こう思われるかも」と不安にさせる言い回しよりも、「こうすれば安心です」と前向きな言葉を選ぶことで、信頼感は格段に上がります。
印象設計をしない営業は再現性がない

見た目、非言語、言葉と声。
この3つがバラバラな営業は、いつもその場の“ノリ”や“気分”に左右され、成果にもムラが出ます。
逆に、「自分はこんな営業として見られたい」と印象を設計している人は、会話の流れやトーク内容まで一貫性があり、相手にとって安心感を与えやすくなります。
これは、トークスキルを磨く前にやるべき“準備”です。
「どんなトークが有効か?」を考える前に、「自分はどんな営業として評価されたいのか?」が定まっていなければ、そもそも話し方や立ち振る舞いの方向性も見えてこないのです。
【まとめ】「演じること」は悪ではない
「自然体でいたい」と考える人も多いでしょう。けれど、営業の現場は“自分の本音を出す場所”ではなく、“信頼を得るための場所”です。
だからこそ、印象を設計することは演技ではなく、「相手を思う力」であり「準備の証」だと私は考えます。
成果を出す営業には、必ず「戦略的な印象設計」があります。
自分がどんな人に“見えているか”を意識し、全体の一貫性を持たせることが、営業としての成果と信頼を築く大きな鍵となるのです。
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