【初心者必見!シンプルで売れる価格提示!】

「価格提示が一番苦手です…。」
営業初心者の相談で最も多い悩みの一つがこれです。

提案の最後でお金の話になると、急にトーンが弱くなったり、
金額を言った瞬間に空気が変わってしまったり、価格提示が苦手な新人営業をたくさん見てきました。
それは、ほとんどの営業初心者が「価格提示=断られる瞬間」と思っているからです。

実際には、価格提示はクロージングの“決定打”ではなく、提案全体の最終着点であり、
価格以前にある程度は、契約の合否は決まっているのです。
商談を最初から構造的に設計していれば価格提示は何も怖くはありません。

テストクロージングは価格提示前の準備運動

まず大前提として、「価格提示の前には必ずテストクロージングを入れる」
これは営業の基本中の基本ですが、意外とできていない人が多いポイントです。

テストクロージングとは、お客様の温度感や導入意欲を探る「仮の確認」のこと。
たとえば、

「もし仮に導入するとしたら、○○ような使い方ってされそうですかね?」

といった形で、“価格提示前に導入意思を確認しておく”という行為です。

この確認を入れずにいきなり価格を伝えてしまうと、お客様の中で「価格の高低」が先に印象づけられ、
「高いからやめておこう」と判断されてしまうことがよくあります。
価格というのは、あくまで「価値に対して妥当かどうか」で決まるもの
車を100万円で購入することを受け入れられても、100万円のスマホを購入する気にはなりません。
それは価値の妥当性が日常生活の中で人間には意識として植え付けられているからです。
つまり、「価値の腹落ち」を作る前に価格を伝えるのは、営業においては“自滅行為”となるのです。

アンカリング提案で「価格感」をコントロールする

心理学的に、人間は“最初に聞いた数字”に無意識に引っ張られる傾向があります。
これを「アンカリング効果」と言います。

営業でもこの効果を活用することができます。
たとえば、次のような会話に自然と価格を乗せておきます。

「だいたい普通に対応すると月額5万円くらいかかるんですが…」
「他社さんだと初期費用が30万円とかかかるケースも多いようで…」

こうした「軽い前振り」の一言で、お客様の頭の中に“価格の土台”ができます。
このあとに本来の価格(例:月3万円)を提示すると、心理的には「安く感じる」ことがあります。
これがアンカリングの力です。

ただし、この手法も「やりすぎ」は逆効果です。
露骨な“ふっかけ”は信用を落とすので、あくまで自然な会話の流れで使うのがポイントです。

最初の価格提示は「余裕」を持たせる

価格を提示するとき、多くの営業マンがやりがちなのが、「限界価格」を最初に提示してしまうこと。
これは営業としては非常に危険です。

なぜなら、もしその価格に対してお客様が値引きを要求してきた場合、それに応じる余地がなくなるからです。

したがって、最初の価格提示は「ある程度余裕を持たせた金額」に設定するのが基本です。
たとえば、実質3万円で契約したい場合、最初は3万5千円程度で提示しておくことで、交渉の中での「対応」として値引きに応じる余地が生まれます。

この“余裕幅”が、営業としての柔軟性であり、信頼づくりの材料にもなります。

「初期価格提示」にもお客様ごとの注意が必要

ただし、ここで気をつけなければならないのが、「全ての相手に余裕ある価格提示が効果的とは限らない」という点です。

お客様によっては、こうした価格交渉を“誠意がない”と感じるケースもあるからです。

  • 最初から“価格は下がらない”と決まっていることで「この営業は本気だ」と評価する人
  • 逆に“最初から下がることが前提”だと思っている人

このあたりはまさにお客様の「タイプ」によって大きく変わる部分です。

家電量販店などではよく「○○万円!価格はご相談ください」といった表記がされていますよね。
これはまさに“価格は変動する”という印象を前提にした売り方です。

つまり、最初の価格提示が「最終価格」になるかどうかは、シーンや相手次第
お客様によっては、値引き交渉を歓迎する人もいれば、最初の金額を信じたいという人もいます。
この違いを見抜くのが、営業としての“洞察力”です。

ソーシャルスタイル理論で相手のタイプを見抜く

お客様の“価格に対する価値観”は、その人の性格や意思決定スタイルに大きく左右されます。

このとき参考になるのが「ソーシャルスタイル理論」です。

この理論では、人間のタイプを以下の4つに分類します。

  • ドライビング型:結果重視、即決型。価格提示は明確かつ即断。
  • エミアブル型:人間関係重視。価格より安心感を求める。
  • エクスプレッシブ型:アイデア型、共感重視。価格交渉も楽しむ傾向あり。
  • アナリティカル型:データ重視、慎重型。根拠ある価格提示が必要。

たとえば、ドライビング型のお客様に対しては「この価格で即断していただければ、特別条件でご用意します」といった提案が響く一方、
アナリティカル型のお客様には「この価格の背景にはこういうコスト構造がある」といった論理的説明が求められます。

このように、価格提示の“響かせ方”は相手のスタイルによって調整すべきなのです。

価格提示のあとは「沈黙」を活かす

さて、いよいよ価格を提示したあと。
ここで営業が一番やってはいけないのが「焦ってしゃべり続けること」です。

たとえば…

「えーと、この金額なんですが、もちろん相談は可能ですし、サポートも充実してまして…」
「万が一ご不満があれば返金も可能ですし、他社さんと比べても…」

といった“情報過多”にしてしまうと、お客様の思考を妨げてしまいます。

価格提示のあとは、「沈黙」を活かすこと。
これは、お客様が考える時間を“与える”ための、営業側の配慮なのです。

人は情報を処理し、判断を下すまでに一定の「間」が必要です。
その間を無理に埋めてしまうと、お客様は“考える余地”を奪われたと感じ、断りたくなります。

一呼吸置いて、お客様の反応を待つ。
この“間”の使い方こそが、営業における「信頼構築」の要です。

まとめ:価格提示は“演出”の連続である

営業における価格提示とは、「一発勝負」ではなく、「会話設計の集大成」です。

  • テストクロージングで温度を測る
  • アンカリングで心理的土台をつくる
  • 最初の提示に余裕をもたせる
  • お客様に応じてスタイルを見極める
  • 沈黙を活かし、思考を促す

この一連の流れを意識することで、「価格提示が怖い」という状態から抜け出すことができます。

価格提示は“売り込む”瞬間ではなく、“信頼と納得の確認作業”です。
そして、お客様にとって「あなたから買いたい」と思わせるための一つの演出なのです。

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