「声だけで判断される仕事」──それがテレアポ
「申し訳なさそうに話しているつもりなのに、軽い印象を持たれてしまった」
「しっかり感謝を伝えたつもりが、お客様の反応は冷たいまま」
こうした経験は、テレアポ業務に携わる人なら一度はあるのではないでしょうか。
実はその原因の多くは、「伝えたつもり」の“声”にあるのです。
テレアポという仕事は、対面ではなく「声だけ」でやりとりを行います。
つまり、相手に伝わる印象の9割が“声の使い方”に左右されると言っても過言ではありません。
それにも関わらず、営業指導の多くは「内容」「トーク構成」「心理トリガー」に偏りがちです。
もちろん言葉の中身は重要ですが、同じ言葉でも“どう伝えるか”によって印象は大きく変わります。
現場を見ていてよくあるのが、「トークを丸暗記しているが、どれも棒読みになってしまう」「ちゃんと謝ってるのに相手が怒っている」「テンプレ通り話しているのにガチャ切りされた」などの声。
こういった悩みは、すべて“声の設計”で解消できる可能性があります。
本記事では、「アポが取れる声」と「取れない声」の違いを明確にし、
誰でも再現できる感情表現の技術と練習方法をお伝えします。
声は内容よりも“感情”を伝えるツール

心理学の研究でも知られているように、人はコミュニケーションにおいて
言語情報よりも非言語情報(視覚・聴覚)から多くの情報を受け取ります。
特にテレアポでは視覚情報が遮断されている分、「声」=「感情」のすべてとなります。
つまり、相手はあなたの“声”から「信頼できそうか」「明るいか」「真剣か」を判断しているのです。
このとき重要なのが、以下の4つの「声の軸」です。
声の4軸:強弱・テンポ・高低差・音量

- 強弱(強く言うか、弱く言うか)
- テンポ(速く話すか、ゆっくり話すか)
- 高低差(高い声か、低い声か)
- 音量(大きい声か、小さい声か)
この4軸を自在に組み合わせることで、言葉以上に感情やニュアンスを伝えることができます。
「大きな声でハキハキとゆっくり!」これは違います。
感情表現とは、言語と非言語の一致と状況によって正解が変化するのです。
2(強弱)✕2(テンポ)✕2(高低差)✕2(音量)=16通の声を使いこなすことで、
伝えたい感情を“声”だけで表現できるようになります。
例えば、「申し訳ありません」を
- ✔ 強めの小声で
- ✔ ゆっくり、低く話す
といった調整だけで、“本当に申し訳なさそう”に聞こえます。
逆に、内容がどれだけ丁寧でも、
- ✔ 単調な音量・テンポ・高さで話すと、
「読んでいる感」「機械的」な印象に変わってしまうのです。
感情が声に乗るとき、人は“抑揚”を感じる
では、どうすれば感情のこもった“伝わる声”が出せるのでしょうか?
キーワードは 抑揚 です。
抑揚とは、言葉の音の高低や強弱に変化を持たせること。
感情があるとき、自然とこの抑揚が生まれます。
ただし、テレアポの現場では“感情を込めよう”と思ってもなかなか表現しきれません。
そこで役立つのが、鼻濁音や笑いながら話すといった技術です。
▽具体的なテクニック:
- 「が」「ぎ」「ぐ」などの鼻濁音をやや柔らかく発音する
- 「ありがとう」は笑いながら話す(表情が声に表れます)
- 「失礼いたしました」は語尾をしっかり下げて言い切る
こうした小さな工夫が、声に抑揚を生み、感情を伝えてくれます。
実践!3種類の声を使い分ける
感情を表現する上で、以下の3種類の声を意識的に使い分けると、劇的に印象が変わります。
- ポジティブな声
→ 嬉しそう、楽しそうな印象(例:「ありがとうございます!」) - 気遣いの声
→ 優しさ、申し訳なさを含んだ印象(例:「恐れ入りますが…」) - 真剣な声
→ 堂々とした、信頼感を与える印象(例:「本日◯時にご訪問させていただきます」)
テレアポの中では、これらを場面に応じて使い分ける必要があります。
よくある失敗パターンと改善アプローチ

現場で多く見られる「声に関する失敗例」と、改善方法を紹介します。
- ❌「申し訳ございません」が機械的に聞こえる
➡ 抑揚が不足している/単調な発音
➡ 改善:強弱をつけ、語尾を丁寧に下げて「本当に申し訳なさそう」に言う練習 - ❌「ありがとうございます」が無表情に聞こえる
➡ 笑顔がない/表情が声に乗っていない
➡ 改善:鏡を見て笑いながら練習(表情が声に出ます) - ❌「読んでる感」が強すぎる
➡ クッション言葉がない/感情が乗っていない
➡ 改善:自分の“口グセ”のようなクッション言葉を増やす - ❌冗談に対して無反応→すぐ次の話題に進む
➡ 会話のキャッチボールになっていない
➡ 改善:「笑う」「共感する」→「話を進める」のステップ練習 - ❌声が小さく、変化が伝わりづらい
➡ 全体の強弱が狭い/小さい声に慣れすぎている
➡ 改善:ロープレで“声の大きなお客様”役を作り、大きな声を出す心理的許可を与える - ❌とにかく早口になる
➡ 緊張・焦りでテンポが崩壊
➡ 改善:
①極端にゆっくり話す練習
②極端に速く話す練習
③ゆっくり/速くを切り替える訓練 → 最適テンポの習得 - ❌ブツブツ切れる話し方
➡ 読点や句点のたびに軽いブレスをしている
➡ 改善:文章を“意味のまとまり”で話す練習+言い切り癖をつける - ❌語尾に余韻が残り、印象が弱まる
➡ 語尾が「〜ぁぃぅぇぉ〜」と間延びする癖
➡ 改善:「です」「ます」などの語尾を言い切るトレーニング - ❌語尾が上がってしまい、質問調になる
➡ 自信がなさそうに聞こえる/断定力がない印象
➡ 改善:語尾を下げる/声の終わりを小さくせずに「言い切る」練習
まとめ:声は意識で変えられる“最強の営業武器”
営業スキルというと、どうしても「トーク構成」「心理誘導」など、言葉の内容に目が向きがちです。
しかし、テレアポの世界では「どう言うか」こそが成果を分ける要素です。
声の4軸(強弱・テンポ・高低・音量)と、感情の乗った3種の声を意識してトレーニングすることで、
誰でも「伝わる声」を手に入れることができます。
特別なセンスも、高価な教材も不要です。
必要なのは、日々の意識と少しの練習だけ。
もしあなたや部下が、「アポが取れない」「声が通らない」「話しているのに伝わらない」と悩んでいるなら、
声という非言語スキルに一度しっかりと向き合ってみてください。
そこには、“感覚”ではなく“技術”としての成長ポイントが必ずあります。
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